理想の高齢者介護施設を選ぶために、特徴・メリット・デメリットを具体的に解説

二人の高齢者が、老人ホームと書いた看板を見ている

 今は、色々な種類の施設があるため、利用する側からは選択肢が多く便利だなと思います。しかし、逆に種類が多すぎて、どんな施設を選んで良いのか分からない人も多いのではないでしょうか?今回の記事は、はじめて施設入所を考えている人でも理解しやすいように、各施設の特徴やメリット・デメリットを、具体的に書いてあります。どこを選んだらいいのか困ってる人は、是非読んでみてください。

また、施設を選ぶ時には、特徴やメリット・デメリットだけで選ぶと失敗する事もあります。他にどんな事に注意した方が良いのか、見学した時に「見てくるところ」や「聞いてくるところ」の記事もありますので良かったら読んでみてください。

施設の種類と、特徴・メリット・デメリットなどを紹介

 自分が考える主要施設の特徴やメリット・デメリット、おおよその費用を紹介していきます。介護施設には、大きく分けて「民間施設」と「公的施設」の2つがあります。民間施設は、入居費用を各施設が個別に設定しているため、費用が高い高級志向の施設もあれば、費用を抑えた施設も見られます。対象とする人も、生活が自立している人から介助が必要な人まで、幅広く対応しており、その人に合った入居先を選べる事も特徴かもしれません。

次に公的施設についてですが、こちらは行政機関が管轄している施設です。そのため、費用が民間施設よりも安い事傾向になっているところが特徴です。また、入居条件に介護度が重い人や低所得の人など、介護が困難な人を優先的にする傾向もあります。そうしたことから、入居しにくい(待機者が多い)施設が多い傾向です。

特徴
  • 費用が低め
  • 介護が困難な人が対象となる
  • 待機者が多く、入居しにくい
特徴
  • 施設により費用の差が大きい
  • 幅広い人が対象となる
  • 施設の数が多く、入居しやすい

介護老人保健施設

介護老人保健施設
特徴リハビリ専門職(理学療法士など)がいる
・介護士や看護師がいるため、介護と医療面のケアも充実している
基本的には、入所期間は3ヶ月(施設により、長期入所も可能)
・最長1ヶ月のショートステイサービスがある
・通所サービスがある
・集団生活のため、他者との交流が多い
メリットリハビリが充実している
・公的施設のため、費用の一部が助成される
・短期間のレスパイト(介護負担軽減)に向いている
入所期間が原則決められているため、入所しやすい
デメリット・原則、長期入所は難しい
・集団での生活のため、自分のペースで生活したい人には向いていない
入所条件・65歳以上+要介護1~5
・特定疾病により、要介護認定を受けている
月額費用・10~15万程度

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
特徴・看取りを実施している施設が多い
・認知症の方も入居出来る
・緊急性の高い方の入居が優先(先着ではない)
・居室タイプが、新型と旧型がある
 (新型:ユニットタイプ個室)
 (旧型:個室・多床室からなる)
・長期入院が必要になると、退居となる
メリット・24時間の介護サービスが提供される
・機能訓練が受けられる
・公的施設のため、費用の一部が助成される
・終身まで入居可能
デメリット・入居出来るまでに時間が掛かる(待機者が多い)
夜間の医療行為が必要な方は、入居を断られる時がある
(看護師の夜間配置の義務がないため)
入居条件・65歳以上
・原則要介護3以上(それ以下でも特例あり)
月額費用・10~20万程度

介護医療院

介護医療院
特徴医療ケア(喀痰吸引や胃ろう対応など)に特化している
・長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ方が対象
看取り介護や終末期ケアが可能
・施設の特徴により、I型とⅡ型に分類されており、
 Ⅰ型はより重度の方が対象となる
・Ⅰ型には、療養機能強化型A、Bがあり、A型はより重度の方が対象となる
・病院に併設されているところが多い
メリット・公的施設のため、費用の一部が助成される
・リハビリテーションが受けられる
・24時間の介護サービスが受けられる
長期的(終身まで)な入居が可能
デメリット・施設数が少ないため、入居まで時間が掛かる可能性がある
他の公的施設に比べ、費用が高くなる可能性がある
・個室が無い施設がある
入居条件・65歳以上
・要介護1以上(特例あり)
月額費用・8~20万程度

ケアハウス

ケアハウス
特徴経済的な負担が比較的少ない
・一般型と介護型がある
・一般型は、家事などの生活支援サービスが提供される
・介護型は、生活支援サービス+介護サービスが利用可能
・介護型は、看護師、介護士の配置基準がある
要介護認定を受けていない人でも入居可能(一般型)
・入居条件に所得制限が無い
・認知症の受け入れについては、施設によって違う
メリット・公的施設のため、費用の一部が助成される
・個室のため、プライバーシーが守られる
他の公的施設に比べ、生活リズムの自由度が高い
デメリット・要介護度が上がると退去に繋がる可能性がある
・初期費用(入居一時金)が必要な施設もある
・費用も安いため、入居待ちが多い(特に介護型)
入居条件・60歳以上(一般型)
・65歳以上、要介護1以上(介護型)
月額費用・9~15万程度(介護型の方が高くなる可能性がある)

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホーム
特徴要介護者のみ入居できる
・介護サービスや医療ケアが充実しているところが魅力
・施設により、費用やサービス内容が大きく違う時がある
・看取りケアをしている施設も多い
メリット・長期の入所が可能
施設が多く、入居しやすい
・サービスや設備が充実しており、入居者の満足度が高い
デメリット・数が増えた事で、施設の質に差があるため注意が必要
・入居費用が高め
入所条件・要介護1以上
月額費用・15~30万程度

サービス付き高齢者住宅(一般型)

サービス付き高齢者住宅(一般型)
特徴基本的に自立生活が可能な高齢者が利用
・定期的に居室を訪れ、安否確認をしてくれる
・生活相談のサービスが受けられる
介護サービスなどは、外部サービスを利用
・施設によっては、食事提供のサービスを行っている
メリット・安否確認のサービスがある
・長期的な入所が可能(要介護度が上がると退去の可能性あり)
施設数が多いため、選択肢が多く、入居しやすい
デメリット・要介護度が高いと、入居出来ない事がある
・入居後に、要介護度が上がると退去させられる時がある
・入居の一時金が必要
入所条件・60歳以上 または、 60歳以下で要介護認定を受けている人
・施設によって、細かな条件を設けている所があります
月額費用・10~20万程度

グループホーム

グループホーム
特徴本人の自立生活を促してくれる事で、認知症の進行予防にもなる
 ※必要時に、スタッフの助けはあります
・リハビリスタッフや看護師が居ない施設もある
・定員が少なめのため、少人数での交流が多め
メリット・支援を受けながら、自立的な生活が送れる
認知症ケアが充実している
・長期的な入所が可能
・少人数での交流がメイン
デメリット・リハビリや医療面のケアは難しい
・定員が少ないので、入居が難しい(順番待ちが多い)
・入居の一時金が必要
入所条件・65歳以上+要支援2以上または、要介護1~5+認知症の診断
・施設のある、市区町村に住民票が必要
・集団生活が可能   など
月額費用・11~13万程度 

在宅型有料老人ホーム

在宅型有料老人ホーム
特徴・介護サービスは、外部サービスを利用するため、個人の状況に合わて選択出来る
・生活支援サービス(食事の提供など)は、受けられる
専門職の配置基準が無いため、施設により提供出来るサービスが様々
・入居条件が施設により違う
介護度が軽い時から入居が可能
メリット・入居前に利用してた、在宅サービスを継続利用が可能
・施設数が多く、サービスも多様で選択肢が広がるため入居難易度は比較的低め
・個室のため、プライバーシーが守られる
デメリット・医療ケアの提供義務が無いため、充実度は施設により様々
・初期費用(入居一時金)が必要
・介護サービスが多く必要な方は、月額費用が高くなる
・介護度が高くなると、退居が必要になるときがある
入居条件・60歳以上が多いが、施設によって違うため要確認
月額費用 ・10~25万程度

施設を選ぶ時に、考えておいた方がいい事とは?

 施設を選ぶ時には、特徴やメリット・デメリットだけを把握していても足りない部分があります。以下に、それ以外に大事だと思う項目について書いてあります。こちらも、施設選びの参考にしてみてください。また、入所前には、施設見学も必ず行きましょう。より施設の事が理解できます。

施設の立地

 面会などを考えると、家族や友達の住む場所から近い施設が便利だと思います。頻回な面会を考えている場合は、施設が遠くにあると、交通費などが高額になります。また、外出などの自由度が高い施設であれば、近くに商業施設があると、買い物などがしやすく、生活の質が高くなると思います。

リハビリや機能訓練の内容

 生活機能や身体的な機能の維持や向上を目的としているのであれば、リハビリスタッフが居る施設が良いと思います。しかし、人数が少ない等の理由から希望する内容のリハビリを受けれない事もあります。施設見学や施設説明の時に、リハビリの内容や実施回数などを確認をしておくことが大事です。 

可能な入所期間について 

 短期的なリハビリテーションや休息を目的とするのか、長期的な生活の場として選ぶのかを考えることが大事です。それぞれの目的にあった、入所期間が可能な施設を選びましょう。また、施設には、入所に必要な条件が定められている事が多いです。要介護度や認知症の有無など、条件は色々ありますが、入所中に条件を満たさなくなった場合は、退居を命じられることもあります。長期的な入所を希望するのであれば、入所者の今後(持病や認知症の進行、加齢による身体機能の低下など)を考え、長く条件を満たす事が出来る施設を選ぶことも大事になります。また、入所を決める前に、施設側に退所にいたる条件を確認しておきましょう。

終末期の対応

 最期は家で看取りたいと思う人は多いと思います。しかし、病気や身体の状態次第では、専門的な医療ケアが必要な方もいます。専門スタッフがいる施設の方が、最後まで苦痛を感じにくい事もあります。今は、施設独自で終末期ケアを実施しいてるところが増えてきています。希望されるのであれば、入所前に確認しておくと良いでしょう。

 入所費用

 施設の費用は大きな問題であり、家族の経済状況によっては、選択肢が変わる項目だと思います。しかし、公的な援助や介護保険が適用されることもあります。自己負担可能額を把握し、施設側にも必要な費用がいくらかを確認しましょう。

余談ですが、金銭問題は家族や親類ともめる原因になる事が多いです。介護を始めてからでは、上手く話しが進まない事が多く、結局介護している人が泣き寝入りするが多いです。そのために、介護が始まる前に、入所費用の負担割合について話しておくことが良いと思います。

まとめ

 今回は、高齢者施設の種類、特徴、メリット、デメリット、その他の選択基準について具体的に解説しました。これらを理解することで、施設の機能やサービスが本当に自分たちの状況や要望に適しているか確認することができます。また、可能であれば、直接施設を訪問し、職員と話をしたり、施設の雰囲気を感じたりすることも重要です。

施設選びは簡単なことではありませんが、各施設の情報を比較検討し、自分たちの希望に最も適した選択をする事が、大事だと思います。この記事がみなさんの選択の一助となることを心から願っています。

この記事を読んでいただき、本当にありがとうございました。

 

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